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浜脇温泉完全ガイド|別府温泉発祥の地で、静かな湯とレトロ散歩|ゆけむり手帖

別府温泉発祥の地・浜脇温泉の静かな湯とレトロな街並み

この記事のポイント

  • 浜脇温泉は「別府温泉発祥の地」とも言われる、静かな住宅街の湯どころです。
  • クアハウス型の湯都ピア浜脇や、深夜まで灯る市営浜脇温泉でのんびり過ごせます。
  • 県内最古の木造駅舎・東別府駅や八幡朝見神社など、レトロ散歩も楽しめます。

別府のにぎわいから、ほんの少し南へ。電車ならわずか数分で、空気ががらりと変わります。観光客の喧騒は遠ざかり、かわりに迎えてくれるのは、住宅街にそっと溶け込んだ温泉と、明治・大正の面影が残る、おだやかなまち並み。ここが浜脇(はまわき)温泉です。

実は浜脇は、鉄輪温泉とともに「別府温泉発祥の地」とも言われる、別府でもっとも古い湯どころのひとつ。かつては別府温泉よりも格上とされた時代もあったほどの名湯です。今は大きな温泉街こそありませんが、その分、観光地ずれしていない“別府の素顔”に出会えます。

この記事では、浜脇温泉のお湯、県内最古の木造駅舎をはじめとするレトロ散歩、アクセスのコツまでをまとめました。静かな別府を味わいたい人へ、とっておきの一冊です。

迷わない別府旅。今日は、ちょっと通な浜脇へ。

別府八湯ぜんたいの地図をつかみたい方は、こちらもどうぞ。

別府八湯完全ガイド

浜脇温泉って、どんなところ?

浜脇温泉は、朝見川の河口付近、JR東別府駅のそばに広がる海ぞいの温泉地です。「浜脇」という地名は、浜辺から温泉が湧き出ていた様子に由来すると伝えられています。

その歴史は驚くほど古く、鎌倉時代には別府温泉の総鎮守・八幡朝見神社(はちまんあさみじんじゃ)の門前町として栄えました。江戸時代には港町・温泉町・門前町として大いに発展し、当時の温泉番付では別府温泉よりも上位に置かれたことも。河口には湯治舟が行き交い、明治・大正期には花街としてにぎわった時代もありました。

そんな華やかな歴史を経て、いまの浜脇は、すっかり閑静な住宅街。観光地というより、地元の人々の暮らしに根ざした“ジモ泉(地元の共同温泉)”が点在する、おだやかなまちへと姿を変えています。住宅の合間にひっそり佇む小さな温泉に、地元の方に交じってつかる——そんな等身大の温泉時間こそ、浜脇のいちばんの魅力です。

お湯は、刺激の少ない単純温泉が中心。肌あたりがやわらかく、長湯してもつかれにくいので、のんびり湯治気分を味わいたい人にぴったりです。

ちなみに浜脇は、別府八湯温泉道(市内の温泉をめぐるスタンプラリー)に参加するうえでも、知る人ぞ知るジモ泉の宝庫。観光客でにぎわう中心エリアでは出会えない、別府の“日常の湯”をめぐる楽しみが待っています。にぎやかな別府に一日いたあと、夜は浜脇の静かな湯で締めくくる——そんな緩急のある旅も、浜脇があるからこそ叶います。

浜脇温泉のお湯——市営の二湯と、ジモ泉めぐり

湯都ピア浜脇——ヨーロッパのクアハウス気分

浜脇温泉の中心的な施設が、市営の「湯都ピア浜脇(ゆとぴあはまわき)」。ヨーロッパのクアハウス(療養温泉施設)をモデルにした、ちょっと珍しい多目的温泉保養館です。うたせ湯、気泡浴、寝湯、歩行浴、サウナなど、性質の異なる湯がいくつもそろい、体調や目的に合わせて入り方を選べます。一般的な共同浴場とはひと味違う、健康づくりの湯あみが楽しめます。

浜脇温泉——深夜まで灯る、地元密着の名湯

同じ建物の一角にあるのが、普通浴の市営「浜脇温泉」。刺激の少ない単純温泉で、あつ湯・ぬる湯の2つの浴槽がそろうため、熱い湯が苦手な人でも安心です。市営温泉では珍しく深夜(午前1時ごろ)まで営業しているのも特徴で、地域の人々が一日の終わりにふらりと立ち寄る、暮らしの湯として親しまれています。

施設の前の広場には、建て替え前の浜脇温泉の玄関だった石造りのアーチが、モニュメントとして残されています。足もとのタイルで、かつての浴槽の位置までしのべる粋な仕掛け。隣の薬師堂には、平安時代の作と判明した、別府でも最古級の小さな薬師如来像が祀られています。お湯につかる前後に、まちの記憶にそっと触れてみてください。なお、かつてこの場所には観光客向けの「浜脇高等温泉」と地元向けの「浜脇温泉」が並んでいて、高等温泉はぬるめ、地元の湯は熱め——と湯加減まで使い分けられていたといいます。

このほか浜脇には、住宅街にとけこんだ小さなジモ泉が点在します。多くは市営の源泉を引いたもので、慣れていないと少し驚くかもしれませんが、こうした路地の一湯を訪ね歩くのが、浜脇ならではの醍醐味です。

※各施設の料金・営業時間・休業日は変わることがあります。お出かけ前に最新情報をご確認ください。

レトロ散歩——県内最古の駅舎と、門前町のなごり

浜脇は、カメラ片手にふらりと歩きたくなるまちです。湯あがりに、ぜひ立ち寄りたいスポットをご紹介します。

東別府駅——大分県内で最も古い、木造駅舎

浜脇温泉の玄関口、JR東別府駅。この木造平屋建ての駅舎は、明治44年(1911年)に「浜脇駅」として建てられた、大分県内で最も古い駅舎です。一度は建て替えも検討されましたが、保存を望む声に支えられ、今も当時の風格をとどめています。市の有形文化財に指定され、木の柱や引き戸のぬくもりが旅情を誘います。高台にあるため、跨線橋からは別府湾と、山側の湯けむりを一望。春は桜、夕暮れの光も美しく、映画のロケ地にもなった情緒たっぷりの駅です。

八幡朝見神社——別府温泉の総鎮守

浜脇の歴史を語るうえで欠かせないのが、八幡朝見神社。1196年に大友能直が創建したと伝わる、別府温泉の総鎮守です。毎年4月の「別府八湯温泉まつり」では、この神社で開会の儀式が執り行われます。境内には、樹齢1000年以上ともいわれる大くすのきや、二人で下をくぐると縁が結ばれるという「夫婦杉」、枯れず濁らない御神水「萬太郎清水」など、見どころが点在。旅の安全を願って、静かに手を合わせたい場所です。

浜脇のまちなみ——飾らない暮らしの風景

温泉前のベンチでおしゃべりが弾み、子どもの声が響く広場。昔ながらの金物や雑貨を扱う商店が残り、毎年「薬師祭り」でにぎわう——浜脇には、観光地化されていない、飾らない暮らしの風景が今も息づいています。歩いているだけで、どこか懐かしく心がほどけていく。それが浜脇散歩の心地よさです。

朝見川のほとり——大友氏ゆかりの地

浜脇は、戦国大名・大友氏ともゆかりの深い土地です。朝見川の河口近く、いまの浜脇中学校のあたりには、かつて大友氏の館「大友館」が置かれていたと伝えられています。豊後を治めた大友宗麟(そうりん)も、この地で湯治をしたという話が残るほど。別府の温泉が、古くから“身分の高い人々をも癒す名湯”だったことがしのばれます。河口は満潮と干潮で水位が大きく変わり、海と川が出会うおだやかな景色も、浜脇散歩のよい締めくくりになります。

浜脇温泉の楽しみ方・アクセス

浜脇温泉は、別府の中心部からほんの少し足をのばすだけ。気軽に“静かな別府”を味わえます。

  • 鉄道:最寄りはJR東別府駅。駅から徒歩数分で温泉エリアに着きます。別府駅から東別府駅までは電車で約3分と近く、ふらりと往復できます。
  • バス:別府駅方面から「湯都ピア浜脇」「浜脇」などの停留所が利用できます。
  • :高速道路の別府インターから市街地経由で。住宅街は道が細いので、運転は控えめに。

別府の中心エリアに泊まりつつ、半日だけ浜脇へ——という組み合わせもおすすめです。にぎやかな別府温泉と、静かな浜脇。両方を味わうと、別府の懐の深さがいっそう感じられます。

湯あがりには、別府名物「別府冷麺」もぜひ。朝鮮半島に近い土地柄を映した、コシのある麺とすっきりしたスープが評判で、浜脇・東別府エリアにも名店があります。

→ 別府グルメをじっくり味わうなら 地獄蒸しグルメガイド

→ にぎやかな中心エリアと組み合わせるなら 別府温泉エリアガイド

共同浴場でのひと工夫

浜脇のジモ泉は、地元の方の生活の場でもあります。シャワーがなく桶でお湯をすくうスタイルの浴場や、お湯が熱めの浴場も少なくありません。タオルや石けんは持参が基本。熱ければ一声かけて水でうめさせてもらうなど、ちょっとした心づかいを忘れずに。作法を知っておけば、はじめてでも安心して、地元の方にもあたたかく迎えてもらえます。

→ 共同浴場のマナーは、こちらで詳しく 共同浴場マナーガイド

こんな人におすすめ

  • 観光地の喧騒を離れて、静かに温泉を味わいたい人
  • 肌にやさしい単純温泉で、のんびり長湯したい人
  • レトロな駅舎や門前町など、歴史散歩が好きな人
  • 別府八湯温泉道で、ジモ泉めぐりを楽しみたい人

おわりに——“別府の素顔”に会いに

華やかな歴史を経て、いまは静かな住宅街となった浜脇温泉。けれど、その落ち着きこそが、浜脇のいちばんの贅沢です。県内最古の駅舎、総鎮守の杜、平安の仏像、路地裏のジモ泉——派手さはなくても、別府の長い時間が静かに息づいています。

にぎやかな別府に少し疲れたら、ぜひ浜脇へ。きっと、また訪れたくなる“別府の素顔”に出会えます。

迷わない別府旅を、ゆけむり手帖と一緒に。

→ 次はどのエリアへ? 別府八湯完全ガイド

※本記事の歴史・施設情報は、別府市および各施設・社寺の公表情報をもとにしています。料金・営業時間・休業日・泉質などは変更される場合がありますので、お出かけ前に最新情報を必ずご確認ください。温泉の感じ方には個人差があり、効能を保証するものではありません。体調に合わせて、無理のない範囲でお楽しみください。

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よくある質問 Q&A

浜脇温泉はどんな温泉地?

別府八湯のひとつで、朝見川河口・JR東別府駅のそばに広がる海ぞいの温泉地です。鉄輪とともに「別府温泉発祥の地」とされ、今は観光地の喧騒を離れた閑静な住宅街。地元のジモ泉が点在し、刺激の少ない単純温泉でのんびりつかれるのが魅力です。

浜脇温泉の代表的な温泉施設は?

市営の「湯都ピア浜脇」と「浜脇温泉」が中心です。湯都ピア浜脇はヨーロッパのクアハウスをモデルにした多目的保養館、浜脇温泉は深夜まで営業する地元密着の普通浴。あつ湯・ぬる湯が選べます。

浜脇温泉へのアクセスは?

最寄りはJR東別府駅で、駅から徒歩数分。別府駅から東別府駅までは電車で約3分です。別府駅方面からのバスでも行けます。中心エリアに泊まり、半日だけ浜脇へ足をのばすのもおすすめです。

浜脇温泉エリアの見どころは?

大分県内最古の木造駅舎「東別府駅」(明治44年築・市有形文化財)、別府温泉の総鎮守「八幡朝見神社」、旧浴場の玄関を残したアーチ型モニュメントなど、レトロ散歩が楽しめます。

はじめてでも浜脇のジモ泉に入れる?

多くは観光客も利用できます。ただしシャワーがなく桶でお湯をすくうスタイルや、熱めのお湯の浴場もあります。タオル・石けんは持参し、共同浴場のマナーを押さえておくと安心です。

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