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別府八湯完全ガイド|8つの個性を一度に知る、湯めぐりの教科書|ゆけむり手帖

別府八湯それぞれの湯けむりと温泉街をめぐる旅

この記事のポイント

  • 別府八湯は、由来も泉質も異なる8つの温泉地の総称です。
  • 「海ぞいはにぎやか・高台は絶景・山あいは静かで個性派」と覚えると迷いません。
  • 早わかり表で、自分の旅のスタイルに合うエリアが見つかります。

別府には、温泉地が「8つ」あります。

同じ別府市内なのに、海ぞいのにぎやかな湯、絶景を見下ろす高台の湯、湯けむり立ちのぼる山あいの湯——。エリアが変われば、お湯の色も、香りも、街の空気までもがらりと変わる。この8つの温泉地をまとめて「別府八湯(べっぷはっとう)」と呼びます。

別府旅をほんとうに楽しめるかどうかは、この“八湯の個性”をどれだけつかめるかにかかっています。「どこも同じ温泉でしょ」と一括りにしてしまうと、別府の本当のおもしろさは半分も味わえません。逆に、それぞれの顔を知っておけば、「今日は海を見ながら、明日は湯けむりの路地を」と、一度の旅で何通りもの温泉体験ができます。

このページは、その8つを一度に見渡すための“地図”です。それぞれの雰囲気、お湯の個性、代表的な湯どころ、どんな人に向いているかまで、ぎゅっとまとめました。気になるエリアが見つかったら、各エリアの詳しいガイドへ進んでください。

まずは全体像から。迷わない別府旅の、二歩目です。

このページは温泉カテゴリのハブ記事です。別府温泉そのものの基礎(源泉数・湧出量・泉質など)を知りたい方は、先に親ガイドからどうぞ。

別府温泉 完全ガイド

どの温泉へ行く? 別府八湯早見表

「便利さ」「絶景」「静けさ」「湯けむり情緒」など、旅で大切にしたいものから選べるように、8つの温泉を比較できる入口をまとめました。

温泉地 特徴・おすすめの人・雰囲気 詳しいアクセス
別府温泉 駅近で便利。共同浴場・食事・街歩きを徒歩で楽しみたい人へ。 特徴・おすすめ・雰囲気・アクセスを見る
浜脇温泉 静かで素朴。観光地のにぎわいから少し離れたい人へ。 特徴・おすすめ・雰囲気・アクセスを見る
観海寺温泉 高台の絶景。海を眺めるリゾート感を味わいたい人へ。 特徴・おすすめ・雰囲気・アクセスを見る
堀田温泉 山あいの落ち着き。湯治気分でゆっくり過ごしたい人へ。 特徴・おすすめ・雰囲気・アクセスを見る
明礬温泉 白濁の硫黄泉。温泉らしい香りと個性を楽しみたい人へ。 特徴・おすすめ・雰囲気・アクセスを見る
鉄輪温泉 湯けむりの王道。地獄めぐりや地獄蒸しも一緒に楽しみたい人へ。 特徴・おすすめ・雰囲気・アクセスを見る
柴石温泉 奥座敷の秘湯感。自然の中で静かに温まりたい人へ。 特徴・おすすめ・雰囲気・アクセスを見る
亀川温泉 海辺の湯治場。砂湯や共同浴場を気軽に楽しみたい人へ。 特徴・おすすめ・雰囲気・アクセスを見る

別府八湯とは——“ひとつの街に、八つの温泉地”

別府八湯とは、別府市内に点在する、由来も泉質も異なる8つの温泉地の総称です。顔ぶれは次の8つ。

別府温泉・浜脇温泉・観海寺温泉・堀田温泉・明礬温泉・鉄輪温泉・柴石温泉・亀川温泉。

なぜ、これほど多彩な温泉地が一つの街に集まっているのか。理由は地形にあります。別府の背後には鶴見岳という火山があり、そこから海へ向かってゆるやかに扇を広げたような地形(扇状地)が広がっています。その扇のあちこちで、由来の違うお湯が湧き出した——だから、エリアごとに泉質も雰囲気も違うのです。ざっくり言えば、扇の南北に4つずつ、計8つの温泉地が並んでいるイメージです。

「八湯」という呼び方が定着したのは、実はそれほど昔のことではありません。1996年8月8日8時8分8秒、地元の有志が「別府八湯勝手に独立宣言」を打ち出したのがきっかけと言われています。8にこだわった遊び心あふれる宣言が、今ではすっかり別府を語るうえでの“共通言語”になりました。さらに時代をさかのぼれば、由布院温泉や塚原温泉を加えて「別府十湯」と呼んだ時期もあったというから、別府の温泉の懐の深さがうかがえます。

覚え方は、とてもシンプルです。海ぞいはにぎやか、高台は絶景、山あいは静かで個性派。この3つのグループさえ頭に入れば、もう別府八湯はあなたのものです。

ひと目でわかる・別府八湯 早わかり表

それぞれの個性を、ざっと一覧にしました。旅のスタイルに合うエリアを探す手がかりにしてください。

エリア 立地 雰囲気 主な泉質の傾向 こんな人におすすめ
別府温泉 駅周辺・海ぞい にぎやか・便利 塩化物泉・炭酸水素塩泉など はじめての別府/拠点にしたい
浜脇温泉 海ぞい(南) 静か・地元密着 単純温泉・炭酸水素塩泉 のんびり・湯治気分
亀川温泉 海ぞい(北) 素朴・海辺 ナトリウム塩化物泉 等身大の温泉時間/海と砂湯
観海寺温泉 高台 絶景リゾート ナトリウム塩化物泉など 絶景・記念日・贅沢な一泊
堀田温泉 山あい(西) 静かな湯治場 硫黄泉など 静けさ・落ち着いた湯
鉄輪温泉 山あい(湯けむり地帯) 風情・別府らしさ ナトリウム塩化物泉 湯けむり街歩き・地獄蒸し
明礬温泉 高地(標高約400m) 濃厚・個性派 酸性硫黄泉 白濁の湯・湯の花・泥湯
柴石温泉 山あい(奥) 秘湯・静寂 混合泉(炭酸水素塩・塩化物・硫酸塩など) 秘湯気分・自然のなかの湯

※泉質は施設や源泉によって異なります。料金・営業時間などは変わることがあるため、お出かけ前に各施設の最新情報をご確認ください。

ここからは、3つのグループごとに、各エリアをもう少し詳しくご案内します。

ひとくちメモ:八湯はもともと“別々の村”だった

別府八湯がこれほど個性的なのには、歴史的な理由もあります。明治のころ、これらの温泉地はそれぞれ別の村に属していました。別府温泉は別府村、浜脇温泉は浜脇村、観海寺・堀田は石垣村、明礬・鉄輪は朝日村、柴石・亀川は御越村——というように、もともと“別々のまち”として育ってきたのです。だから、お湯だけでなく、町並みや人々の暮らしの空気まで、エリアごとに少しずつ違います。

昭和の初めには、その性格の違いがはっきりしていました。湯治場としてにぎわった鉄輪・明礬、保養地として発展した観海寺、そして歓楽街の色が濃かった浜脇・北浜(別府温泉)。今でもその名残は街のあちこちに息づいていて、エリアを移動するたびに“別の顔”に出会えるのが、別府八湯めぐりのいちばんの醍醐味です。

ひとつの旅で、にぎわいも、絶景も、静けさも。別府八湯は、いわば“八つの旅を一度にできる”温泉郷なのです。

海ぞいの三湯——アクセス抜群、別府の玄関口

別府駅を中心とした海ぞいのエリアは、交通の便がよく、はじめての別府にいちばん心強い一帯です。共同浴場や日帰り宿が街なかに点在し、「着いてすぐ、ひと風呂」がかなうのが魅力です。

別府温泉——八湯の“顔”、玄関口の名湯

別府駅周辺に広がる、八湯の中心エリア。歴史的には「北浜」と呼ばれ、別府でもっとも華やかでにぎやかな一帯です。飲食店やお土産処、別府タワーといった繁華街の楽しみと温泉が、すべて徒歩圏にそろいます。

このエリアの象徴が、市営「竹瓦温泉」。明治12年(1879年)創設で、現在の堂々たる唐破風(からはふ)屋根の建物は昭和13年(1938年)のもの。登録有形文化財・近代化産業遺産にも数えられる、まさに別府温泉のシンボルです。名物の砂湯では、浴衣を着て横たわると、砂かけさんが温泉で温めた砂をかけてくれます。

気軽な湯めぐりなら、別府駅から歩いてすぐの「海門寺温泉」もおすすめ。共同浴場には珍しくシャワーが完備され、あつ湯・ぬる湯が選べるので、熱い湯に慣れていない人でも安心です。お湯はつるりとした肌ざわりの炭酸水素塩泉(重曹泉)。このほか、広々とした「不老泉」など、街なかに共同浴場がぎゅっと密集しています。

「着いたらまず一湯」「夜のまち歩きとセットで」——そんな別府デビューに、まず迷わずおすすめできるエリアです。

→ 別府温泉エリアの詳しいガイドはこちら 別府温泉(エリア)ガイド

浜脇温泉——別府温泉発祥の地、静かな湯どころ

別府温泉のすぐ南、JR東別府駅のそばに広がるのが浜脇温泉。実は「別府温泉発祥の地」とも言われる、古い歴史を持つ一帯です。八幡朝見神社の門前町として栄え、江戸時代の温泉番付では別府温泉より上位に置かれたこともあったほど。かつては東温泉・西温泉という2つの湯があり、1928年に統合されて浜脇温泉となりました。

いまは大きな温泉街を形成しておらず、住宅街にしっとりと溶け込んだ、静かな雰囲気が魅力です。中心となるのが市営の「湯都ピア浜脇」。ヨーロッパのクアハウスをモデルにした多目的温泉保養館で、うたせ湯や寝湯など多彩な湯を、体調や目的に合わせて楽しめます。同じ建物には、深夜まで営業する市営「浜脇温泉」もあり、刺激の少ない単純温泉でゆったり長湯ができます。

観光地の喧騒から離れ、別府の“素の顔”に触れたい人、のんびり湯治気分を味わいたい人にぴったりのエリアです。

→ 浜脇温泉エリアの詳しいガイドはこちら 浜脇温泉ガイド

亀川温泉——海辺の素朴な湯と、海浜砂湯

別府市の最北端、別府湾に面したエリアが亀川温泉。古くは「南の浜脇、北の亀川」と並び称され、湯治場としてにぎわった歴史を持ちます。848年、地区を流れる川で白い亀が見つかったことが地名の由来と伝わる、風情ある土地です。

今も昔ながらの共同浴場が現役で、別府の暮らしに根ざした“等身大の温泉”が楽しめます。市営「浜田温泉」は、市営温泉で初めてバリアフリー設計を取り入れた施設。向かいには、昭和初期の社寺風建築を復元した「浜田温泉資料館」もあり、亀川の歴史にふれられます。大正時代から続く「亀陽泉」、公園のなかにある「四の湯温泉」など、味わい深い湯が点在します。

そして亀川といえば、海を眺めながら砂に埋もれる「別府海浜砂湯」。上人ヶ浜の浜辺で、青い空と海を独り占めしながらの砂湯は、別府でも指折りの贅沢な体験です。

→ 亀川温泉エリアの詳しいガイドはこちら 亀川温泉ガイド

→ 砂湯をじっくり楽しむなら 砂湯ガイド

高台と山あいの二湯——絶景と、静寂の湯治場

海ぞいから少し山側へ入ると、景色ががらりと変わります。別府湾を見下ろす絶景の高台と、由布院へ続く道沿いの静かな湯治場。対照的な二つの湯どころです。

観海寺温泉——別府湾を見下ろす、絶景リゾートの湯

その名のとおり、海を観るための温泉地。朝見川上流の山の斜面、標高150メートルほどの高台に広がり、別府湾と街並みを一望できる眺めが自慢です。鎌倉時代から湯治場として知られ、いまは近代的なリゾートホテルが立ち並ぶ、別府でもっとも“贅沢”なエリアです。

シンボルは、別府最大級のスケールを誇る「杉乃井ホテル」。なかでも、棚田のように段々に連なる絶景露天風呂「棚湯」は圧巻で、湯船と別府湾の水平線がひとつながりに見える解放感は格別です。噴水ショーで知られる温泉プール「ザ・アクアガーデン」もあり、一日いても飽きません。

もうひとつ見逃せないのが、コバルトブルーのお湯で名高い「いちのいで会館」。住宅街の急坂を上った先にある、まるで隠れ家のような露天風呂で、晴れた日には空と海の青に溶け込むような神秘的な湯あみが楽しめます。メタケイ酸を豊富に含む“美肌の湯”としても知られ、何度でも通いたくなる名湯です。

絶景を眺めながらの湯あみ、記念日の旅、ちょっと贅沢な一泊に——観海寺は別府旅のハイライトになってくれます。

→ 観海寺温泉エリアの詳しいガイドはこちら 観海寺温泉ガイド

堀田温泉——由布院への道沿い、静かな山の湯治場

観海寺温泉のさらに奥、由布院方面へ向かうやまなみハイウェイ沿いにあるのが堀田温泉。江戸時代に開かれた、こぢんまりとした山あいの湯治場です。

最大の特徴は、湯量の豊かさ。ここで湧くお湯は別府市内のあちこちの共同浴場へも分けられているほどで、まさに別府の“お湯のみなもと”のひとつです。エリアの中心となる市営「堀田温泉」は、木の温もりを感じる落ち着いた佇まい。硫黄を含むやわらかなお湯に、ゆっくりと身をひたせます。

観光地のにぎわいから離れ、静けさのなかでお湯と向き合いたい人に。由布院へ抜ける道の途中にあるので、別府と由布院をつなぐ旅の“ひと休み”にもぴったりです。

→ 堀田温泉エリアの詳しいガイドはこちら 堀田温泉ガイド

湯けむりの三湯——別府らしさが、いちばん濃いエリア

「これぞ別府」という風景に出会いたいなら、山あいの湯けむり地帯へ。坂のあちこちから白い蒸気が噴き上がり、歩いているだけで物語が始まりそうな、別府の真骨頂ともいえる一帯です。

鉄輪温泉——湯けむり立ちのぼる、別府の象徴

ガイドブックの表紙を飾る、あの湯けむりの風景。その多くは、ここ鉄輪(かんなわ)温泉です。坂の街のいたるところから温泉の蒸気が立ちのぼり、その光景は「別府の湯けむり・温泉地景観」として国の重要文化的景観に選ばれています。鎌倉時代に一遍上人が開いたと伝わる、由緒ある湯どころでもあります。

このエリアの名物が、温泉蒸気で温める「むし湯」。市営「鉄輪むし湯」では、薬草・石菖(せきしょう)を敷いた石室に横たわり、じんわりと汗を流す伝統の蒸し湯が体験できます。共同浴場も粒ぞろいで、いでゆ坂の中心にある「渋の湯」は、肌をなめらかに整えるメタケイ酸を日本トップクラスに含む“仕上げの湯”。入浴無料の「熱の湯」、大正ロマン漂う「谷の湯」など、湯めぐりが楽しくてたまりません。じっくり一日楽しむなら、砂湯やむし湯までそろう総合温泉「ひょうたん温泉」もおすすめです。

そして鉄輪は、温泉の蒸気で食材を蒸す「地獄蒸し」グルメの本場であり、別府地獄めぐりの拠点でもあります。お湯に浸かり、湯けむりの路地を歩き、地獄蒸しに舌鼓を打つ——別府らしさを一度に味わえる、満足度の高いエリアです。

→ 鉄輪温泉エリアの詳しいガイドはこちら 鉄輪温泉ガイド

→ 地獄蒸しグルメを味わうなら 地獄蒸しグルメガイド

→ 地獄めぐりの回り方はこちら 地獄めぐりガイド

明礬温泉——標高400mの地熱地帯、白濁の湯と湯の花

鉄輪からさらに山を上った、標高約400メートルの地熱地帯が明礬(みょうばん)温泉。藁葺き屋根の「湯の花小屋」が斜面に連なる風景は江戸時代から続くもので、鉄輪とともに国の重要文化的景観に選ばれています。

ここで湧くのは、別府でもとりわけ個性の濃い、白く濁った酸性の硫黄泉。独特の香りととろりとした湯ざわりは、「温泉に来た!」という実感を全身で感じさせてくれます。市営「鶴寿泉」での素朴な湯あみから、白い泥をまとう名物の泥湯まで、ほかでは味わえない体験がそろいます。高台にはラグジュアリーなリゾートホテルもあり、絶景とともに過ごす贅沢な滞在も叶います。

明礬温泉については、すでに詳しいガイド記事があります。湯の花小屋や立ち寄り湯、泥湯の楽しみ方まで、こちらでたっぷりご案内しています。

→ 明礬温泉の詳しいガイドはこちら 明礬温泉ガイド

柴石温泉——天皇も癒した、奥座敷の秘湯

鉄輪のさらに奥、血の池地獄や龍巻地獄の一帯にひっそりとあるのが柴石(しばせき)温泉。895年に醍醐天皇、1044年に後冷泉天皇が病気療養のため湯治したと伝わる、たいへん由緒ある名湯です。「柴石」の名は、江戸時代にこの地で柴(しば)の化石が見つかったことに由来すると言われています。

観光地の喧騒から離れ、柴石川沿いの谷間に佇む、まさに「秘湯」と呼ぶにふさわしい静けさ。市営「柴石温泉」には、あつ湯・ぬる湯の内湯のほか、露天風呂、蒸し湯、家族風呂までそろい、素朴ながら充実しています。療養効果の高い温泉地として国民保養温泉地にも指定されており、自然のなかで心ほどける湯あみが楽しめます。

血の池地獄・龍巻地獄の見学とあわせて立ち寄れば、地球のダイナミズムと、静かな名湯の両方を味わえます。喧騒を離れて“本物の湯治気分”を求める人に、そっとおすすめしたいエリアです。

→ 柴石温泉エリアの詳しいガイドはこちら 柴石温泉ガイド

別府八湯の“遊び方”——温泉道・スパポート・温泉まつり

別府八湯は、ただ入るだけではもったいない。八湯ならではの“楽しむ仕掛け”がいくつもあります。

いちばん有名なのが「別府八湯温泉道(おんせんどう)」。市内の選び抜かれた温泉施設をめぐり、入るたびにスタンプ(湯印)を集めていく、別府公認の湯めぐりプログラムです。専用のスタンプ帳「スパポート」を片手に湯を訪ね、規定の数をクリアすると「温泉名人」などの称号が贈られます。竹瓦温泉が記念すべき第1番——そんなふうに、各施設に番号が振られているのも楽しいところ。一度の旅で達成する必要はなく、別府を再訪する“うれしい言い訳”になってくれます。

毎年4月初めには、温泉の恵みに感謝する「別府八湯温泉まつり」が開かれ、街じゅうがにぎわいに包まれます。普段は有料の市営温泉が無料開放されることもある、温泉ファンには見逃せないお祭りです。また、地元の人がガイド役となって温泉や食、文化を体験する「別府八湯温泉泊覧会(オンパク)」も2001年から続く人気イベント。八湯をより深く味わいたい人は、こうした催しに時期を合わせて訪れるのもおすすめです。

なお、鉄輪・明礬・柴石の3つは、国が療養向けの温泉地として認める「国民保養温泉地」にも指定されています。にぎやかな海ぞいから、療養に適した山あいまで——別府八湯は、楽しみ方の幅そのものが日本有数なのです。

どう組み合わせる?——目的別・別府八湯のめぐり方

8つすべてを一度に回る必要はありません。旅の目的に合わせて、相性のよいエリアを組み合わせるのが、別府八湯を賢く楽しむコツです。いくつかの“型”をご紹介します。

はじめての別府なら:別府温泉+鉄輪温泉
まずは便利な別府温泉エリアを拠点に。竹瓦温泉で別府の歴史にふれ、足をのばして鉄輪で湯けむり街歩きと地獄蒸しを。別府の“王道”をぎゅっと味わえる、鉄板の組み合わせです。

→ はじめての方は 初めての別府ガイド もあわせてどうぞ。

絶景とリゾート気分なら:観海寺温泉
別府湾を見下ろす棚湯や、コバルトブルーの露天風呂で、非日常のひとときを。記念日の旅や、ちょっと贅沢な一泊にぴったりです。

湯けむりと“別府らしさ”を堪能するなら:鉄輪温泉+明礬温泉
湯けむり情緒の鉄輪と、白濁の硫黄泉が湧く明礬。別府でもっとも個性の濃い山のエリアを巡れば、温泉好きほど深く満足できます。

秘湯・湯治気分を味わうなら:柴石温泉+堀田温泉
喧騒を離れ、自然のなかで静かにお湯と向き合う旅。素朴であたたかな名湯が、心も体もほどいてくれます。

海と素朴さを楽しむなら:亀川温泉+浜脇温泉
海辺の砂湯や、地元に愛される共同浴場で、別府の“等身大”の魅力にふれる旅。ゆっくり長湯したい人に向いています。

旅のスタイルに合わせた、より具体的な楽しみ方は、こちらの記事も参考にしてください。

→ 家族やカップルで気がねなく楽しむなら 家族風呂ガイド

→ 共同浴場をはじめて使う前に 共同浴場マナーガイド

→ 車がなくても大丈夫 車なしで楽しむ別府ガイド

→ 週末でぎゅっと満喫 別府 1泊2日モデルコース

おわりに——八湯を知れば、別府はもっと好きになる

海ぞいのにぎわい、高台の絶景、山あいの湯けむりと秘湯。別府八湯は、ひとつの街のなかに、まるで八つの小さな旅が詰まっているようなものです。

すべてを一度に回りきれなくても、心配はいりません。「次はあの湯けむりの街へ」「今度は絶景の露天に」——回りきれないことこそが、また別府へ足を運びたくなる理由になります。八湯それぞれの個性を知れば知るほど、別府という街はもっと愛おしくなっていくはずです。

気になるエリアが見つかったら、ぜひ各エリアの詳しいガイドへ。あなたの別府旅が、湯けむりのようにあたたかく、心ほどけるものになりますように。

迷わない別府旅を、ゆけむり手帖と一緒に。

→ 別府温泉の全体像をもう一度つかむなら 別府温泉 完全ガイド

※本記事の歴史・施設情報は、別府市・大分県および各施設の公表情報をもとにしています。料金・営業時間・休業日・泉質などは変更される場合がありますので、お出かけ前に各施設の最新情報を必ずご確認ください。温泉の感じ方には個人差があり、効能を保証するものではありません。体調に合わせて、無理のない範囲でお楽しみください。

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よくある質問 Q&A

別府八湯とは、どの温泉のこと?

別府市内に点在する、由来や泉質の異なる8つの温泉地の総称です。別府温泉・浜脇温泉・観海寺温泉・堀田温泉・明礬温泉・鉄輪温泉・柴石温泉・亀川温泉の8つを指します。同じ別府市内でも、エリアごとにお湯の個性や街の雰囲気が大きく異なります。

別府八湯のなかで、はじめてならどこがいい?

はじめての方には、別府駅周辺の「別府温泉」エリアがおすすめです。共同浴場や宿、飲食店が徒歩圏に集まり拠点にしやすいためです。さらに足をのばして、湯けむり情緒と地獄蒸しが楽しめる「鉄輪温泉」を組み合わせると、別府らしさをひと通り味わえます。

絶景の温泉に入りたい。どのエリア?

高台に広がる「観海寺温泉」がおすすめです。別府湾を見下ろす段々の露天風呂「棚湯」や、コバルトブルーのお湯で知られる露天風呂など、眺めのよい湯が揃います。

静かな秘湯・湯治の雰囲気を味わえるのは?

山あいの「柴石温泉」や「堀田温泉」が向いています。とくに柴石温泉は、血の池地獄の近くにありながら静寂に包まれた“秘湯型”の温泉地で、国民保養温泉地にも指定されています。

「別府八湯温泉道」って何?

市内の対象温泉をめぐり、入るたびにスタンプ(湯印)を集めていく別府公認の湯めぐりプログラムです。専用のスタンプ帳「スパポート」を使い、規定数を達成すると「温泉名人」などの称号が贈られます。竹瓦温泉が第1番です。

別府八湯は1日で全部回れる?

8エリアすべてを1日で回るのは現実的ではありません。目的に合わせて2〜3エリアを組み合わせるのがおすすめです。例えば「別府温泉+鉄輪温泉」「鉄輪温泉+明礬温泉」など、近いエリアをまとめると効率よく楽しめます。

「別府八湯」という呼び方はいつから?

1996年8月8日8時8分8秒に、地元有志が「別府八湯勝手に独立宣言」を提唱したことで広まったとされています。8にこだわった遊び心ある宣言が、今では別府を語る共通の言葉として定着しました。

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